交渉により、退職後の会社から630万円獲得
- CASE608
- 2020年08月25日更新
業務内容
事業場において、荷物の搬入作業を行う業務
災害の状況
Yさんは、荷物の搬入業務を行う際に、階段から滑って転倒し、頭や首を階段や柵に打ち付けてしまいました。外傷については頸椎捻挫と診断されましたが、脳波に異常がでており外傷性てんかん等の傷病を負うことになりました。
相談内容
Yさんは、本件労災事故後、会社への出勤が困難となり、休業期間明けに会社を退職しなければなりませんでした。労災保険から、休業補償給付等は受けていたものの、給付以上の支払いを受けることができず、会社に対して法的責任を問うことができないかと考え、ベリーベスト法律事務所にご相談いただきました。ご相談いただいた時点で、Yさんは、仮に会社へ請求ができるとしても早期に解決したいというご意向でした。
ベリーベストの対応とその結果
ご依頼を受けて、まず会社に対して請求をするに当たっての損害の総額を算出することから取り掛かりました。
損害の計算については、労働基準監督署や病院等の各方面から必要な書類を取り寄せた上で、計算を行わなければならず、通院治療期間が長ければその資料も膨大となるため、独自で行うことが困難といえ、労働災害事件を取り扱う弁護士に相談されることをお勧めいたします。
Yさんの案件についても、弁護士やスタッフが資料の収集に当たり、収集した資料をもとに損害の全体像を明らかにしました。
次に問題となった点が、Yさんの事故態様は、端的には「Yさんが階段から転倒した」というものになります。
労働災害として会社に法的責任が問えるには、会社に安全配慮義務違反あるいは不法行為責任や工作物責任が認められる場合になります。そのため、会社側としてはYさんが自分で転倒したものであり、会社側には責任が存在しないという主張を現に行ってきました。
そのため徹底的に会社の責任を追及していくためには訴訟(裁判)をせざるを得ないことになりましたが、Yさんは早期の解決を相談時から希望されており、訴訟(裁判)となれば解決まで時間がかかってしまうことになります。
そこで、弁護士は改めて当時の事故の状況等を会社側に説明し、当時は階段が凍結しており、Yさんが自分の過失だけで転倒したのではなく、転倒しうる状況であり会社の責任が生じうる可能性がある旨を改めて主張しました。
そうしたところ、会社からは、会社の責任自体を認めることはできないが、解決金として630万円を支払う意向である回答がなされました。
Yさんが早期の解決を望まれていたこと、Yさん自身にも過失の割合が一定程度あると考えられることもあり、会社は安全配慮義務違反等の法的な責任については最後まで否定しましたが、実質的な解決金として630万円という低いとは言えない金額の支払いを受けることで話合いで解決をすることができました。
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