機械のオペレーター(非作業員)が回転刃で指を切断してしまった労災事件
- CASE672
- 2021年01月27日更新
業務内容
Aさんは、機械のオペレーターとして、工場内で機械トラブルが発生しないかどうかを監督する業務に携わっておられました。
災害の状況
Aさんが工場内を見回っていたところ、高速回転する刃で製品を切断する機械のところでトラブルが発生しました。そこで、依頼者は、何とかトラブルを処理しようと考え、回転している刃の後ろ側に手を入れたところ、刃に触れてしまい、指が切断されてしまうという傷害を負ってしまいました。
相談内容
会社側は、労災保険給付の申請手続きには協力してくれたものの、本件労災事故が発生したのは、Aさんの過失によるところが大きいとして、会社としての補償は特にしないという態度であったため、会社に対する損害賠償請求が出来ないか、ご相談いただきました。
ベリーベストの対応とその結果
まずは、会社に対して、回転刃に触れないようにするカバーを設置したり、安全講習を行うといった安全配慮義務を尽くしていないということを指摘し、損害賠償請求についての任意の交渉を持ちかけましたが、会社側は、安全配慮義務違反は全くないと主張し、支払うとしてもお見舞金として30万円くらいしか支払えない、との回答であったため、すぐに訴訟を提起しました。
訴訟の中では、作業内容や事故の発生状況について詳細な説明を求められたため、工場の見取り図や作業工程の図を作成する等して、裁判官に具体的なイメージを持ってもらえるように工夫しました。
本件では、Aさんが機械のオペレーターということで、現場の作業自体を行う役割の従業員ではなかったことから、使用者にどこまでの責任を問えるかが問題となりましたが、Aさんに限らず、誰でも刃に触ってしまうことがあり得る状態になっていたこと、発生した怪我が重大であること等から、会社に一定の安全配慮義務違反があるということは前提として、Aさんが真面目に業務に取り組んでいたことも考慮されて、500万円以上の和解金を支払っていただくという内容で、和解が成立しました。
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