同僚と一緒に残業代を請求。訴訟で400万円を得られ、残業代を請求した後も、会社で働き続けることができた

  • cases797
  • 2023年06月08日更新
男性
  • 50代
  • 男性
  • 農業関連業
  • 残業代請求
  • 訴訟
  • 名ばかり管理職
  • ■職業(雇用形態) 正社員
  • ■解決結果 訴訟で解決金400万円を得て解決

ご相談に至った経緯

Aさんは、同僚のBさんと一緒に農作業上での作業全般を担当していました。
AさんとBさんには、長時間労働が常態化しておりましたが、会社はAさんやBさんに残業代を支払ったことはありませんでした。

勤務当初から残業代が支払われていないことに疑問を感じていましたが、多忙のため、相談することもできずに残業代が支払われない状況を受け入れておりました。

そのような状況が続いておりましたが、流石にきちんと残業代が支払われる必要があると考え、自ら社長に残業代を支払うように交渉しておりましたが、社長は一切取り合ってくれませんでした。

ご相談内容

AさんとBさんは、ご自身での交渉では難しいと考え、ご相談にいらっしゃいました。
AさんとBさんは未払の残業代を支払って欲しいというのは大前提ですが、今後も会社で働くことを考えていたので、今後の労働条件の改善につながるような交渉を会社として欲しいということをご希望されておりました。

ベリーベストの対応とその結果

弁護士は、早速、AさんとBさんの未払残業代がきちんと支払われるべきだとして、まずは、会社が持っているはずの資料の開示を求め、内容証明郵便で会社に通知しました。

これに対し会社は、残業代については、

①Aさんらは管理監督者であること
②農業従事者であること

を理由に、残業代の支払いはおろか資料の開示すら行わないとの返答をしてきました。
そこで、弁護士は、

①まず、管理監督者性については、Aさんらが社長の指揮命令に従って動いており、管理監督者にあたるものではないこと
②農業従事者については、Aさんらは、農業以外の事務作業全般も行っていたこと

から、農業従事者を労働基準法の適用除外だとする労働基準法41条1号に該当せず、該当するとしてもその趣旨に合致しないとする主張をしました。

また、弁護士は、会社が資料開示に応じない可能性を考えていましたので、AさんとBさんに事前に自身の賃金台帳とタイムシートを取得いただくようにお願いしておりました。その資料をもとにAさんらの残業代を計算して、会社に請求しました。

これに対しても、会社としては、残業代を払う気はないとの主張が変わらなかったので、弁護士はAさんらと相談し、訴訟を提起することになりました。
訴訟を提起することを相手方の弁護士に伝えると態度が急変し、残業代を支払うとの主張に代わりました。
その後は、交渉ということで多少の減額はありましたが、Aさんも納得する400万円という残業代を支払うという内容の合意ができました。

また、その合意の中では、これまで残業代を支払ってこなかったことを真摯に反省し、今後は、きちんと残業代を支払うことを誓約する文言を入れることもでき、これからも会社で働き続けるAさんが安心することのできる合意内容で合意することができました。

■解決のポイント
残業代の請求を行って以降も会社には所属し続けることになるため、会社との関係を一定程度保って、かつ、不当な減額交渉等には応じないようにするという点でバランスが求められ、良いバランスを取れたことにより、Aさんも満足する結果になりました。

全国の各オフィスから寄せられた解決事例をご紹介しております。(※ベリーベスト法律事務所全体の解決事例となっています)