配偶者が不倫を認めないとき、取るべき対応や慰謝料を請求する方法
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成田市の公表している統計書によると、令和5年に成田市では1日に0.6件の離婚が成立しました。
配偶者が不倫をしていることが発覚した場合、離婚や慰謝料請求を検討するケースは少なくありません。しかし、慰謝料請求をしたとしても相手が不倫を認めず慰謝料を拒否する場合があります。
本コラムでは、配偶者が不倫を認めない場合の慰謝料請求の方法について、ベリーベスト法律事務所 成田オフィスの弁護士が解説していきます。
1、不倫したことを認めない場合の対処法
不倫を配偶者が認めない場合の対処法をご紹介します。
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(1)不倫相手に慰謝料を請求できる条件
慰謝料は不倫をした配偶者と不倫相手(浮気相手)の両方に対して請求することもできれば、いずれか一方のみに請求することもできますが、そのためには、以下の条件を満たすことが必要です。
- ① 不貞行為(肉体関係)がある
- ② 加害者に故意または過失がある
- ③ 不貞行為により被害者に損害が生じている
① 不貞行為(肉体関係)がある
不倫で慰謝料請求するためには、不貞行為の事実が必要です。「不貞行為」とは、夫婦の一方が、自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係(肉体関係)を持つことをいいます。
したがって、キスやハグなどのスキンシップは原則として不貞行為とはみなされません。
肉体関係の有無が慰謝料請求のひとつのポイントになるでしょう。
② 加害者に故意または過失がある
不貞行為の相手方に対して慰謝料を請求する場合、その相手方が、肉体関係を持った相手が既婚者であることを知っていた(故意)、または知ることができた(過失)ことが必要です。
たとえば配偶者が不倫相手に対して「自分は独身だ」と嘘をついて信じ込ませていた場合などには、不倫相手に故意または過失が認められず、慰謝料を請求できないことがあります。
③ 不貞行為により被害者に損害が生じている
慰謝料請求は、不貞行為によって受けた精神的苦痛に対する賠償を求めるものです。
不貞行為によって配偶者は精神的苦痛を受けることになり、この精神的苦痛に対する賠償を求めることができます。法的には、婚姻共同生活の平和という権利が侵害されたと考えられています。 -
(2)不倫の証拠を突き付ける
不貞行為を理由に慰謝料を請求する場合、その事実を立証する責任は請求する側にあります。相手が不貞行為を認めない場合、客観的な証拠が重要となります。
不倫の証拠として有効なものは次章でご紹介します。 -
(3)証拠がない場合には不倫の証拠を収集する
証拠を集めていない場合は、速やかに不倫の証拠を収集しましょう。
すでに不倫について相手に問いただしている場合、相手は警戒しているため証拠収集が難しくなる可能性が高まるため、興信所や探偵事務所に依頼することも検討してみてください。
2、不倫慰謝料の請求の仕方
不倫慰謝料を請求する手順について詳しくみていきましょう。
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(1)証拠の収集
配偶者や不倫相手が不倫を認めない場合、証拠によって不倫を立証していかなければなりません。また、証拠があれば、不倫を認めざるを得ない状況をつくりだすことができます。
さらに、最終的に裁判で争うことになったとしても、その際に集めておいた有効な証拠を提出すれば、自分に有利な判決を得られる可能性が高くなります。
以下のものは不倫の証拠として認められやすいです。- 肉体関係(不貞行為)がわかる写真や動画
- 不倫を認めた音声や動画、やりとりの記録
- 不倫していることがわかるメールやSNSでの不倫相手とのやりとりの記録
- クレジットカードの明細書(不倫相手と使ったホテルや不倫相手へのプレゼントなど)
- 興信所や探偵事務所の調査報告書
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(2)配偶者・不倫相手に対する慰謝料請求
証拠を集めたら、証拠をもとに配偶者と不倫相手の双方または一方に慰謝料請求を行います。
口頭や電話で請求することもできますが、請求した事実を残すため、書面で行うのが良いでしょう。
特に、内容証明郵便(日本郵便が文書の内容や送付日付などを証明するサービス)を利用することをおすすめします。これにより、いつ誰がいかなる内容の請求を行ったかについて、客観的な証拠が残ります。 -
(3)配偶者・不倫相手との話し合い
慰謝料の金額や支払い方法について話し合いを行います。
慰謝料の金額は話し合いで自由に決めることができますが、不倫が理由で離婚する場合に、裁判で認められる慰謝料の相場は100万円から300万円程度です。
当事者間の話し合いで慰謝料の支払いについて合意する場合、金額だけでなく、支払方法(一括、分割)、支払期限、振込先口座、振込手数料の負担者などを具体的に取り決め、書面として作成・保管することが重要です。 -
(4)慰謝料請求訴訟の提起
話し合いが決裂した場合は慰謝料請求訴訟を提起する必要がありますが、請求相手が配偶者で、その相手との離婚を希望している場合は、離婚調停で慰謝料についても話し合うことが可能です。
また、離婚はせずに婚姻関係を継続したまま、不貞行為に対する慰謝料のみを求める場合、家庭裁判所に家事調停を申し立てることができます。これは、配偶者・不倫相手の双方に行うことができます。
調停で合意に至らない場合、訴訟を提起することになります。配偶者に対しては、離婚を求める訴訟を提起する際に、不倫に基づく損害賠償請求も一緒に訴えることができます。
さらに、不倫相手に対する慰謝料請求も、併せて家庭裁判所に提起することが可能です。
お問い合わせください。
3、離婚の進め方
離婚を円滑に進めるための手順をご紹介します。
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(1)離婚後の生活のめどを立てる
まずは離婚後の生活のめどを立てます。引っ越すのか、そのまま家に住み続けるのか、離婚後の生活費を考えて就職活動や転職活動をするのか、子どもがいる場合は転校が必要なのかなど、具体的に離婚後の生活を考えましょう。
特に相手が不貞を認めない場合、離婚成立までの期間が長期化する可能性があります。 協議離婚が難しく調停や訴訟に進む場合は、別居から離婚成立まで1年以上の期間がかかることも想定して、生活費の見積もりを立てることが重要です。
また、慰謝料の分割払いを想定する場合は、離婚後の経済的負担についても考慮しておきましょう。 -
(2)次に住む場所を決める
引っ越す場合は、次に住む場所をあらかじめ決めておきましょう。
賃貸物件に引っ越すのか、親と同居するのか、同居する場合はそれを含めて親と話し合っておく必要があります。 -
(3)別居をする場合には婚姻費用を請求する
離婚前に別居する場合、収入が少ない側は収入が多い配偶者に対して婚姻費用(衣食住の費用、医療費、養育費など)を請求することが可能です。婚姻費用は別居後から離婚成立までの期間受け取ることができます。
費用については話し合いで決めることになりますが、家庭裁判所の公表している「婚姻費用算定表」でケースに応じた金額相場を簡易迅速に計算することができるため、ぜひご活用ください。
別居後の生活を安定させるためにも、婚姻費用を請求しておくことをおすすめします。 -
(4)希望する離婚条件をまとめる
離婚を切り出す前に離婚条件をまとめておくことが重要です。希望を決めずに話し合いに臨むと、自分に不利な離婚条件で合意してしまう可能性があります。
具体的には以下の項目について希望する条件をまとめておきましょう。- 財産分与
- 年金分割
- 慰謝料
- 親権
- 養育費
- 面会交流
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(5)離婚を切り出す
希望する離婚条件をまとめたらいよいよ相手配偶者に離婚を切り出します。
この際に感情的になってしまうとスムーズに話し合いが進まず、揉める可能性が高いため冷静に話をすることが重要です。
特に相手の不倫が原因で離婚を切り出す場合は、慰謝料の話も絡んでくるため揉めやすい傾向にあります。
その場合は自分だけで対処しようとせず、早めに弁護士を交えて話し合いに臨みましょう。次章で弁護士へ依頼するメリットを詳しく解説します。
4、不倫・離婚問題を弁護士に依頼するメリット
不倫・離婚問題でお困りの方は弁護士への依頼がおすすめです。弁護士に依頼するメリットをご紹介します。
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(1)不倫の立証に必要な証拠収集のサポートをしてもらえる
不倫を立証するためには有効な証拠を収集することが重要です。解説をしてきたように、証拠がなければ相手が不倫を認めない場合、反証することができません。特に、話し合いで揉めて裁判にまで発展した場合は証拠がなければ慰謝料請求は認められないでしょう。
弁護士に依頼すれば、どのような証拠がどの程度重要であるか、また合法的にどのように証拠を収集すべきかについて、適切なアドバイスを受けることができます。 -
(2)相手との交渉を任せることができる
不倫慰謝料請求をする場合、相手と揉めるケースは少なくありません。なかには相手に証拠を突きつけてもかたくなに認めない、逆上する、といったケースもあり、精神的な負担もかかります。
弁護士であれば依頼人に代わって相手方との交渉を行うことができるため、話し合いの段階での早期解決が期待できるでしょう。また、相手と顔を合わせず交渉を一任することもできるため、精神的負担も軽減できます。
不倫に限らず、離婚問題は子どもがいる場合は親権や面会交流、養育費や財産分与といった金銭問題など、話し合い内容は非常に揉めやすいため当事者だけでは解決できないことも少なくありません。
裁判にまで発展する前に、できることなら早い段階での解決が金銭的にも精神的にも望ましいでしょう。そのためにも早い段階で弁護士に交渉を任せることをおすすめします。
お問い合わせください。
5、まとめ
不倫を認めない配偶者には、客観的で合意を得やすい証拠を事前に収集しておくことが重要です。
証拠を収集せずに慰謝料を請求し、相手に拒否された場合は直ちに証拠を収集する必要がありますが、警戒している相手に対して個人で収集するのは困難です。その場合は興信所や探偵事務所の利用をご検討ください。
また、精神的にも負担のかかる相手との交渉は、弁護士に任せることをおすすめします。早めに相談をすれば、不倫の立証に必要な証拠収集についてのサポートを受けることが可能です。
配偶者の不倫や離婚問題でお困りの際には、ぜひ早めにベリーベスト法律事務所 成田オフィスの弁護士にご相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
